現地講習では、AZCARE公認インストラクターが、各エクササイズの指導法や狙いを丁寧にお伝えいたします。解剖学・神経学・生理学的な観点から全てのエクササイズを紐解くマニュアルを用意しており、講習後も指導の手引きとしてご活用いただけます。本ページではいくつかのサンプルをご覧ください。
立位
Dwi Hasta Padasana
Dwi Hasta Padasana
ドゥイ・ハスタ・パーダ・アーサナ〔両手で足を掴んだポーズ〕
プロセス
(ターダ・アーサナで立つ)
- 右脚の内側から、両手で右足を掴む。
- 可能な範囲で右脚を伸ばす。(膝は曲がっていても良い)
- 可能で範囲で背中を均等に丸めて、顔を脛に近づける。
- 両肘を曲げて、下に向ける。
ドゥイは「二」、ハスタは「手」、パーダは「足」という意味を持つ。
ウッティタ・ハスタ・パダングシュタ・アーサナよりもさらに強い屈曲で、ハムストリングスへの負荷が高くなるので、無理矢理伸ばさないようにすること。膝を伸ばす時に、膝関節と股関節のどちらを優位に働かせるかでは主要に働く筋肉が変わってくる。膝の過伸展を起こしやすい人は、大腿四頭筋の働きが強く、膝関節が優位に使っているので、股関節で動く練習もすると良い。
バリエーション
- 脚がまっすぐ伸ばせない場合
- ベルトを足にかける
- バランスがとれない場合
- 仰向けで行う
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 軸足の外側への荷重
- 肘の過伸展
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 膝が内側に入る
- 膝の過伸展
- 脚が伸びない
- 股関節のつまり
- 下部肋骨の外旋
- 肩がすくむ
- 顎が上がる
Element③ | 屈曲、片足バランス |
---|---|
動かす関節 | 股関節屈曲、脊柱屈曲、骨盤後傾 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯、股関節 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋、大腿筋膜張筋、ハムストリングス、下腿三頭筋 |
活発化する筋群 (機能) |
臀筋群、呼吸機能、腹筋群、ハムストリングス、腸腰筋 |
Parivrtta Trikonasana
Parivrtta Trikonasana
パリヴリッタ・トリコーナ・アーサナ〔ねじった三角のポーズ〕
プロセス
(マットの後ろにターダ・アーサナで立つ)
- 左足のつま先を30度外側に向ける。
- 右足をマットの前の方に踏み込む。
- 前脚の膝を曲げて、 左手を肩の真下に置く。
- 前脚を伸ばす。
- 可能であれば、左手を前足の外側に置く。
- 胴体を右に捻り、右腕を上にまっすぐ伸ばす。
- 上の手を見る。(または前か下を見る)
パリヴリッタは「回転した」、 トリは「三」、 コーナは「角、角度」という意味を持つ。
このポーズもトリコーナ・アーサナと同様に前脚の過伸展が起こりやすく、後ろの踵は浮きやすくなる。 安定性が得られないと身体の緊張は高まり、脊柱の可動性も下がるので、両足の左右の間隔を広くしたり、前脚を少し曲げたり、ブロックを活用したりして、まずは安定性を確保する。また回旋する時に、脊柱が動かないと、代償動作で骨盤の傾きが強くなるので、分離運動を習得すると良い。
バリエーション
- 手が床につかない場合・踵が浮く場合
- 手の下にブロックを置くか、前膝を曲げたまま行う
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 後ろ足の踵が浮く
- 前足への過度な荷重
- 肘の過伸展
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 両脚の膝の過伸展
- 前足のつま先と膝が内側に入る
- 前脚が伸びない
- 股関節のつまり
- 下部肋骨の外旋
- 脊柱の回旋不全により骨盤が傾く
- 肩がすくむ
- 顎が上がる
Element③ | 回旋、下半身プッシュ |
---|---|
動かす関節 | 股関節、脊柱回旋、胸郭拡張 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯、股関節 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋、大胸筋・小胸筋、下腿三頭筋 |
活発化する筋群 (機能) |
臀筋群、呼吸機能、腹筋群、僧帽筋下部、前鋸筋、ハムストリングス |
前屈
Vyaghrasana
Vyaghrasana
ヴィヤガラ・アーサナ〔虎のポーズ(膝を額に近づける)〕
プロセス
(マージャラサナから)
- 右足を上げて、額に膝を近づける。
- 右足を左内腿につけて、つま先を伸ばす。
ヴィヤガラは「虎」という意味を持つ。
このポーズは、膝を額に近づけることで、腹筋群や股関節周囲筋の活性と共に、生徒の股関節の屈曲可動域を見る事が出来る。呼気制限があると、体幹を使って背骨を屈曲するのが難しくなるので、呼気を少し長めに指示して腹筋の収縮感を出す。股関節周囲筋の収縮不全があると、腰椎の屈曲や骨盤の後傾が出なくなったり、股関節につまり感が出たりして、膝を額に近づけるのが難しくなる。体幹が上手く使えず、下肢に重心をおけないことで、首や肩の緊張が高まりやすくなる。膝を近づける時に、脛や足の甲で床を押すように指示すると良い。
バリエーション
- 内転筋を活性する場合
- 近づけた脚を、反対の脚の太ももの前にクロスするように入れて、さらに膝を引き上げる。
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 手の幅が狭く、手の位置を肩よりも前に置く
- 手の小指側への荷重
- 両手への過度な荷重
- 指が丸まり、肘が曲がる
- 肘の過伸展
- 脚の幅が狭い
- 膝が内側に入る
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 肩甲骨の浮き上がり(肩甲骨内旋)
- 肩がすくむ
- 背骨を均等に屈曲できない
- 額と膝が近づかず、つま先が下がる
- 脛や足首が床から浮く
- 骨盤が後傾できない
- 下部肋骨の外旋
Element① | 上半身プッシュ、屈曲 |
---|---|
動かす関節 | 股関節屈曲、脊柱屈曲、骨盤後傾、肩甲骨外転 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯、肩関節 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋、大腿筋膜張筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼気機能、腹筋群、臀筋群、ハムストリングス、僧帽筋下部、前鋸筋、上腕三頭筋、腸腰筋 |
Eka Pada Adho Mukha Svanasana
Eka Pada Adho Mukha Svanasana
エーカ・パーダ・アドー・ムカ・シュワーナ・アーサナ〔片足を上げた下を向いた犬のポーズ〕
プロセス
(アドー・ムカ・シュワーナアーサナから)
- 右脚を上げる
- 右と左の腸骨稜の高さを揃える
エーカは「一つ」、パーダは「足」、アドーは「下」、ムカは「顔」、シュワーナは「犬」という意味を持つ。
このポーズは、脚を上げた時に骨盤が一緒に傾く事が多い。クラスの中での意図として傾ける場合は良いが、実践者が骨盤の傾きに気づいていない場合は、適切な位置を教えるようにする。傾く理由としては、身体の伸展が強い、体幹の制御が出来ない、脊柱の回旋や股関節の内転・内旋の動きが苦手などがある。理由のそれぞれにエクササイズでアプローチしたり、四つ這いで片脚を上げたり、ヴィーラバッドゥラ・アーサナⅢなど似た形のよりシンプルなポーズで、適切な動作を指導すると良い。
バリエーション
- ポーズを簡略化する場合
- 膝を床につける
- 安定性を高める場合
- 壁に手や踵をつける
- 軸伸展の意識を高めながら、骨盤の高さを揃える(ペアワーク)
- ペアの人が上げている脚の踵に手を添える。実践者は踵を強く手に向かって押しながら、頭頂は床の方に近づけるように背骨を伸ばす。ペアの人が骨盤の高さが同じになるところをチェックする。
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 手の幅が狭い
- 手の小指側への荷重
- 両手への過度な荷重
- 指が丸まり、肘が曲がる
- 肘の過伸展
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 肩がすくむ
- 下部肋骨の外旋
- 軸脚の内転内旋不全
- 股関節のつまり
- 膝の過伸展
- 膝が伸びない
- 膝が内側に入る
Element② | 上半身プッシュ、屈曲 |
---|---|
動かす関節 | 股関節、脊柱伸展、肩関節屈曲 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯、肩関節 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋、ハムストリングス、下腿三頭筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼気機能、臀筋群、腹筋群、ハムストリングス、僧帽筋下部、前鋸筋 |
座位
Ubhaya Padangusthasana
Ubhaya Padangusthasana
ウヴァヤ・パタングシュタ・アーサナ〔両足の親指を掴むポーズ〕
プロセス
(ダンダアーサナから)
- ステージ1:両膝を曲げ、両足の裏を床につける。両足を腰幅に開く。両腕を両脚の内側に入れ、足の親指を掴む。(掴む指は、親指、人差し指、中指)骨盤を立てる。
- ステージ2:両足を上げて、脛を床と平行にする。
- ステージ3:両脚をまっすぐにする。
- ステージ4:両足の内側を揃える。
- まっすぐ前、または上を見る。
ウヴァヤは「両方」、パタングシュタは「足の親指」という意味を持つ。
このポーズは、両脚をまっすぐに伸ばすとバランスを保つのがとても難しくなる。
またバランスをとったり、脚を伸ばすことが難しいと過度に首や肩の緊張が高くなる人が多い。
その場合は両膝を曲げたまま行ったり、仰向けで先に練習すると良い。
バリエーション
- 脚がまっすぐに伸びない場合
- 膝を曲げる
- 手が足に届かない
- ベルトを使う
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- つま先が外側に向いたり、底屈する。
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 膝が伸びない、または過伸展
- 股関節のつまり
- 骨盤の傾き
- 肩がすくむ
Element② | 屈曲 |
---|---|
動かす関節 | 股関節屈曲、脊柱伸展、骨盤後傾 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋、ハムストリングス、下腿三頭筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群、腸腰筋、僧帽筋下部 |
Parivrtta Janu Sirsasana
Parivrtta Janu Sirsasana
パリヴリッタ・ジャーヌ・シールシャ・アーサナ〔ねじって頭を膝につけるポーズ〕
プロセス
( ジャーヌ・シールシャ・アーサナ から)
- 右の前腕を右脛の内側に置く。
- 右手で右足の内側を掴み、胴体を左に捻る。
- 左手で右足の外側を掴み、 左肘を上に向ける。
- 上を見る。
パリヴリッタは「回転した」、 ジャーヌは「膝」、シールシャ「頭」という意味を持つ。
このポーズは、股間節の柔軟性に加え、脊柱の自由度も要求されるポーズなので行うのは難しいけれども、一つ一つの要素を分解し、改善すればより行いやすくなる。
名前にもあるように脊柱の回旋を行うポーズであるが、人によっては回旋よりも側屈が強く出てしまうことがある。そこでまず下につく肘をしっかりと床に押して(肘がつかない場合は手を床に置く)、足を掴む事よりも、まずは脊柱を十分に回旋し、そこから腕を伸ばして足を掴むようにする。回旋動作を伴うポーズは、胸郭や肩甲骨の適切なポジション、腹筋群の適切な収縮なども重要になってくるので、それに対応するエクササイズを行うと良い。
バリエーション
- 脚が伸ばせない場合
- 膝を曲げる
- 前腕が床につかない場合
- 前腕の下にブロックを置く、または手を床に置く
- 足が掴めない
- ベルトを使う
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- つま先が外側に向いたり、底屈する
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 膝が伸びない、または過伸展
- 股関節のつまり
- 下部肋骨の外旋
- 足が掴めない
- 前腕が床につかない
- 肩がすくむ
- 顎が上がる
Element③ | 側屈 |
---|---|
動かす関節 | 股関節外転、脊柱側屈、肩関節外転 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯、股関節 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、内転筋群、ハムストリングス、下腿三頭筋、腰方形筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群 |
アームバランス
Vasisthasana
Vasisthasana
ヴァシスタ・アーサナ〔聖者ヴァシスタのポーズ〕
プロセス
(ヴァシスタアーサナの準備ポーズから)
- 左膝を曲げ、左腕を脚の内側に入れて、足の親指を掴む。( 掴む指は、親指、人差し指、中指)
- 左脚を少しづつ伸ばす。
- 下、前、または上を見る。
ヴァシスタは、ヴェーダの讃歌、とくに『リグヴェーダ』の第七マンダラの作者として名高い、太陽王家の僧の名前。
このポーズは、二つの方法で行われる。一つ目は、ヴァシスタ・アーサナの簡易バージョンから、腰の高さを変えずにそのまま脚を伸ばす方法で、二つ目は、腰の位置を高く上げてから脚を上げる方法がある。一つ目は、体幹をまっすぐに保持する力と、股関節周囲筋をしっかりと使う力が必要となるので難しい。二つ目は、伸展位で行うので柔軟性の高い人にとっては行いやすく、 見え方としても華やかである。二つ目は出来るけれども、一つ目は出来ないという人が多いので、どちらも出来るように練習すること。
また実際に股関節はあまり動かずに、骨盤の傾きや腰椎の伸展で脚を高く上げていることも多いので、しっかり分離運動ができるように、エクササイズやアナンタ・アーサナなどの似た形のポーズで練習を行うと良い。
バリエーション
- バランスがとりにくい場合
- 下の脚の膝と脛を床に置く 、前腕を床に置く
- 上の脚が伸びない場合
- ベルトを使用するか、膝を曲げたままで保持する
- 難易度を上げる場合
- 親指を掴んでいた手を離して、その高さのまま保持する
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 手の小指側への荷重
- 指が丸まる
- 肘の過伸展
- 膝の過伸展
- 頭の位置が落ちる
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 肩がすくむ
- 肩甲骨の浮き上がり
- 下部肋骨の外旋
- 腰部の伸展
- 股関節のつまり
- 脚が伸びない
- 骨盤の傾き
- 頭の位置が落ちる
Element③ | 上半身プッッシュ |
---|---|
動かす関節 | 股関節外転、脊柱伸展、肩関節外転 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯、肩関節 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋、内転筋群 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群、僧帽筋下部、前鋸筋、上腕三頭筋、中臀筋・小臀筋 |
Parsva Bakasana
Parsva Bakasana
パールシュヴァ・バカ・アーサナ〔横向きの鶴のポーズ〕
プロセス
(ターダ・アーサナから)
- スクワットのように腰を下ろす。
- 両足首、両膝をつける。
- お尻の後ろに指先をつく。
- 胴体を左に捻り、右の上腕を左太ももの外側につける。
- 左側の床に両手を置き、両手を肩幅より少し広めに置く。指をまっすぐ前に向ける。
- つま先だちになり、左に身体を傾け、両手に体重をかける。
- その状態を保つか、お尻と両足を床から持ち上げる。
- 頭と腰を一直線にして、胴体を床に平行にする。
- その状態を保つか、右腕をまっすぐに伸ばす。
パールシュヴァは「側面」、バカは「鶴」という意味を持つ。
このポーズは、股関節の屈曲制限があったり、脊柱の回旋が出ないと、両手を床に置くのが難しくなる。
また上腕を太ももの真ん中につけることが出来れば良いが、膝の真横につける人が多く、そうなると脛が邪魔して足を上げるのが難しくなる。腕を脚のどこにつけるかでポーズの行い易さが変わるので、指導の際には、腕の位置を明確に伝えるようにする。このポーズの完成形は、脚がついていない側の腕をまっすぐに伸ばした形となるので、腕を伸ばす練習も行うようにする。
バリエーション
- 足が床から浮かない
- ・つま先は床につけたまま、両手を床に置いて肘を90度に曲げて、それを保持する練習を行う。
・頭頂を床につけると、足が浮く。
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 手の不均等な荷重
- 指が丸まる
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 肩がすくむ
- 肩甲骨の浮き上がり
- 脊柱の回旋制限
- 股関節のつまり
- 足が床から浮かない
Element③ | 上半身プッシュ、回旋 |
---|---|
動かす関節 | 股関節屈曲、脊柱屈曲・回旋、骨盤後傾 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯、肩関節 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群、腸腰筋、腰方形筋、前鋸筋、大胸筋、上腕三頭筋 |
後屈
NaginyasanaⅠ
NaginyasanaⅠ
ナーギニャ・アーサナⅠ〔マーメイドのポーズⅠ〕
プロセス
(アドー・ムカ・シュワーナアーサナから)
- 右膝を右手首に近づけて、右脛を床に下ろす。
- 右踵を左太腿の付け根に近づけて、お尻と後脚を床に下ろす。骨盤を正面に向ける。
- 後脚をまっすぐにして、マットの長い縁と平行にする。
- つま先を伸ばし、踵を真上に向ける。
- 両手の平を肩の真下に置く。
- 後脚の膝を曲げて、左肘の内側を後ろ足にかけて、肘を曲げる。
- 右腕をまっすぐ上に上げて、両手を握るか、ストラップを使う。
- 眉の間を見て。後ろ脚の太ももを床に下ろす。
このポーズは、股関節の内転内旋制限があると、後ろ脚をまっすぐ後ろに置いた状態でこの形になるとバランスをとるのが難しいので、前脚のお尻に体重をのせて後ろ脚の位置を少し前にズラして行うと良い。
肩甲帯のポジションが適切でなかったり、腹斜筋群の収縮不全があり体幹の側屈が上手く出来なかったりすると、両手を握るが難しくなるので、それらにアプローチするエクササイズを行い、少しづつ可動域を広げるようにする。
バリエーション
- 両手が握れない場合
- ストラップを使う
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 後脚が開く
- 前脚のお尻の外側に身体が傾く
- 股関節のつまり
- 下部肋骨の過度な外旋
- 腰椎の伸展
- 骨盤の過度な前傾
- 手が組めない
- 肩がすくむ
- 顎が上がる
Element③ | 伸展 |
---|---|
動かす関節 | 股関節伸展、脊柱伸展、肩関節伸展、肩甲骨内転 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯 |
抑制する筋群 | 僧帽筋上部、肩甲挙筋、腹直筋、腸腰筋、大腿筋膜張筋、大腿四頭筋、大胸筋・小胸筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群、ハムストリングス、僧帽筋下部、肩甲下筋 |
Urdhva Dhanurasana
Urdhva Dhanurasana
ウールドゥワ・ダヌラ・アーサナ〔上向きの弓のポーズ〕
プロセス
- 仰向けになる。
- 両膝を曲げて、両足を膝の真下に置く。
- 両足を腰幅に開き、両足を平行にする。
- 両手の平を頭の横に着いて、親指を肩の下に入れる。
- 指を開いて、両手を少し外側に向ける。両肘は上に向ける。
- 腰、胸、頭を持ち上げ、両腕を限界までまっすぐ伸ばす。両手の間を見る。
ウールドゥワは「上へ」、ダヌーは「弓」という意味を持つ。
このポーズは、多くの人が出来るようになりたいと思うポーズの一つで、腕がまっすぐに伸ばせるようになると、自分の練習の進歩を感じ、それが自信や継続する力につながる。肩甲帯のアライメントが適切でなかったり、緊張が高い事で腕をまっすぐに伸ばせないこともある。また足に十分に体重をのせることが出来ずに、手や腕に過度な負荷がかかり伸ばないこともある。骨盤が前傾位で固定されている人は、まず股関節屈筋群の収縮不全を改善して骨盤のポジションを整えてから、母趾に体重をのせられるようにハムストリングスや内転筋群、臀筋を活性させるとポーズが行い易くなる。
バリエーション
- 手首に制限がある場合
- 壁にブロックをつけて、手の平をブロックの上に置いて行う。
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 肘の過伸展
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- つま先や膝が開く
- 下部肋骨の過度な外旋
- 腰椎の伸展
- 骨盤の過度な前傾
- 肩がすくむ
- 顎が上がる
Element③ | 伸展、上半身プッシュ |
---|---|
動かす関節 | 股関節伸展、脊柱伸展、肩関節屈曲 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯、肩関節 |
抑制する筋群 | 腹直筋、大胸筋・小胸筋、大腿四頭筋、腸腰筋 |
活発化する筋群 (機能) |
臀筋群、呼吸機能、腹筋群、ハムストリングス、僧帽筋下部、前鋸筋、上腕三頭筋 |
仰臥位
Supta Virasana
Supta Virasana
スプタ・ヴィーラ・アーサナ〔仰向けの英雄のポーズ〕
プロセス
- 両脛の間にお尻を下ろし、踵の内側をお尻につける。
- つま先を伸ばす。両膝をまっすぐ前に向けるか、または少し外に開く。
- 両手で膝を掴み、両腕をまっすぐにして、前を見るか、下を見る。
- もしお尻が床にしっかりとついていれば、仰向けになる。
- 両腕を頭の方にまっすぐ伸ばす。手の平を上に向けて、指を閉じて、手の平を開く。
スプタは「横たわる」、ヴィーラは「英雄」という意味を持つ。
このポーズは、膝の痛みを訴える人が多く、それらの場合は決して無理をさせないようにすること。
バリエーション
- 膝が痛い、お尻が床から浮く場合
- ブロックをお尻の下に入れる
- 背中を床につけない場合
- 両手または両肘を床につく
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 下部肋骨の過度な外旋
- 腰椎の伸展
- 骨盤の過度な前傾
- 肩がすくむ
Element① | 伸展 |
---|---|
動かす関節 | 股関節伸展、脊柱伸展、肩関節屈曲、膝関節屈曲 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋、大胸筋・小胸筋、大腿四頭筋、大腿筋膜張筋、腸腰筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群、僧帽筋下部 |
Jathara Parivartanasana
Jathara Parivartanasana
ジャタラ・パリワルタナ・アーサナ〔お腹をねじるポーズ〕
プロセス
- 仰向けになる。
- 両腕を横に開き、肩と同じ高さに置く。手の平を上に向ける。
- 両脚を床に垂直に上げる。
- 腰を持ち上げ、右に10センチずらす。
- その状態を保つか、両足を左手に近づける。
- 右肩を床に近づけるか、床につける。
- 足首を曲げ、足の指を広げて、両足を出来る限りぴったりと揃える。
ジャタラは「胃、腹」、パリワルタナは「回転させる」という意味を持つ。
このポーズは、股関節の屈筋群や多裂筋、腹斜筋群の収縮不全があると、足を手に近づけるのが難しくなる。また下部肋骨が過度に外旋していると、胸腰椎移行部が安定しないので、足が床に落ちてしまう。呼吸のエクササイズを行い、筋の収縮不全を改善するとポーズは行い易くなり、またポーズの効能も高まる。
バリエーション
- 脚をまっすぐに伸ばすと負荷が高すぎる場合
- 両膝を曲げるか、片膝を曲げて行う。
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 膝が伸びない
- 下の脚が床に落ちる
- 股関節のつまり
- 下部肋骨の過度な外旋
- 肩がすくむ
- 胸郭の回旋不全
- 顎が上がる
Element① | 回旋 |
---|---|
動かす関節 | 股関節屈曲、脊柱回旋 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、僧帽筋上部、肩甲挙筋、腰方形筋、大胸筋・小胸筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群、臀筋群 |
その他
Anantasana
Anantasana
アナンタ・アーサナ〔蛇のポーズ〕
プロセス
- 右側を下にして横向きになる。足首を曲げる。
- 右肘を曲げて、右手で頭を支える。肘をマットの短い縁に向ける。
- 右肘、腰、足までを一直線にする。
- 左膝を曲げて、膝頭を上に向ける。
- 左腕を左脚の内側に入れて、左足の親指を掴む。(掴む指は、親指、人差し指、中指)
- この状態を保つか、左脚をまっすぐ伸ばす。
アナンタは、「ヴィシュヌ神の寝床の蛇」という意味を持つ。
このポーズは、脚を伸ばす際に、股間節周囲筋が上手く使えないと骨盤が後傾して身体が後ろに傾き、バランスを保つのが難しくなる。まず肘と大転子でしっかりと身体を安定させてから、脚を伸ばすようにする。もしそれでもバランスをとるのが難しい場合は、下の膝を曲げる。またハムストリングスが硬く上の脚が伸ばせない場合は、アライメントをしっかりと整えて、膝を曲げたままで保持する。
バリエーション
- 脚が伸ばせない場合
- 膝を曲げる
- バランスがとれない場合
- 下の膝を曲げる
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
-
- つま先が外側に向いたり、底屈する
- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
-
- 膝が伸びない、または過伸展
- 股関節のつまり
- 下部肋骨の外旋
- 肩がすくむ
Element① | 側屈 |
---|---|
動かす関節 | 股関節外転、肩関節外転 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、内転筋群 、ハムストリングス、下腿三頭筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群、臀筋群 |
Pasasana
Pasasana
パーシャ・アーサナ〔縄のポーズ(肘をかけるバージョン)〕
プロセス
- 両足首を揃えて、スクワットのように腰を下ろす。
- 両膝を揃える。
- 両踵を床に下ろす。
- 両手を腰の後ろに置く。
- 左腕を上げ、左肩を右膝の外側につける。
- 左肘を曲げ、指を閉じる。
- まっすぐ前を見る。
- 頭と腰を一直線にして、背骨を伸ばす。
パーシャは「縄」という意味を持つ。
このポーズの完成形は、左肘を右膝の外側につけた後に、さらにそこから腕を後ろに回して、両脚を包み込んで、右手首を握る形であるが、難易度が高いためここでは肘をかけた状態で保持する。下部肋骨の外旋が強く腰椎の屈曲、骨盤の後傾が出ず、股関節屈筋群の収縮不全があると、肘を深くかけるのが難しくなる。また胸郭の回旋ができないと、膝をずらしてポーズを行うことが多い。何が制限になっているのかをしっかりと見極めるようにする。
バリエーション
- 難易度を上げる場合
- 左肘を右膝の外側につけた後に、さらにそこから腕を後ろに回して、両脚を包み込んで、右手首を握る。
起こり易い傾向
- キューイングにより改善が見込めるもの
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- 身体の機能や能力による問題が原因で、改善の為のアプローチが必要なもの
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- 股関節のつまり
- 下部肋骨の外旋
- 胸郭の回旋不全
- 肩がすくむ
Element② | 回旋 |
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動かす関節 | 股関節内旋、脊柱回旋、骨盤後傾 |
安定させる関節 | 腰椎骨盤帯、肩甲帯 |
抑制する筋群 | 広背筋、脊柱伸展筋群、大腿筋膜張筋、臀筋群、大胸筋小胸筋 |
活発化する筋群 (機能) |
呼吸機能、腹筋群、僧帽筋下部 |
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